「褌と腰巻き(ふんどしとこしまき)-男女における考察」渡辺カリンの学説
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2014年6月10日 渡辺カリン

はじめに 
2013年、わたしは、「女性用褌(ふんどし)」という名称で、発明品の特許認定をうけました。
しかし、めざしたのは腰巻きの着け心地。現代の生活様式と腰巻きの叡智が融合した品が生れました。

なぜ、腰巻きをめざしたか。それを、お伝えします。
5.薄桃桜もくじ

第1章.日本古来には、ワケがある

第2章.夜のフンドシ女子

第3章.男性器を固定するフンドシ

第4章.平安女子にならう腰巻き

第5章.ふんどしを超える開放感

第6章.黒歴史がパンツの始まり

第7章.恐ろしい習慣

第8章.気づかない拷問

第9章.肥大する頭部

第10章.平成女子がめざめる

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第1章.日本古来には、ワケがある

099_032014年6月2日、朝8時15分過ぎ、日本列島に衝撃が走りました。NHK総合テレビの情報番組『朝イチ』の冒頭で、「ふんどし女子」が特集されたのです。ふんどしは、日本古来の男性用下着ですが、鼠蹊部(腿の付け根)をゴムで締めないから解放感があり、最近は、ふんどしを愛用する女性が増えているという内容。

既に、その開放感のトリコになっている方は、「楽だから、当然」と思われたでしょう。 愛用する女性たちの証言は、血行がよくなり、便秘・冷え性・生理痛・生理不順・ストレスを感じなくなった等。医師がその理由を裏付ける解説をしました。「パンツに比べて、しめつけが少ない、通気性がよい、おなかが冷えにくい」とにかく、とっても、健康に良いという結論。

デパートにも女性用フンドシコーナーがあり、担当者は「とっても売れています」。色柄、デザインのバリエーション、素材は麻や綿…とおしゃれに進化したふんどしや専門店が紹介されました。

男専用という常識を乗り越えて、体にいいものを選んでいるのです

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第2章.夜のフンドシ女子

実際に、ふんどし女子が10人くらい集まったVTRが流れました。
リポーターが質問します。
「今、ふんどしをはいてる人!」
手を挙げたのは、一人だけ。ホントに流行っているの? スタジオは微妙な空気に。

他のフンドシ女子は、夜の睡眠中だけの着用でした。昼間に使わない理由は、かさばる、トイレでの扱いが面倒、ズレたり下がったりしたら大変、外出に不向き、など。

一日のうち、睡眠の時間の割合は、たった四分の一。個人差はあれど、半分以上の時間、起きています。健康に効果があると分かっているのに、別の下着に、朝はき替えてしまうとは、矛盾しています。

それだけ女性にとって、フンドシは使いにくいのです

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第3章.男性器を固定するためのフンドシ

sengoku現代の女性のブラジャーは、胸のふくらみの揺れが、身体の動きを妨げないように、固定させるもの。

いっぽう、男性のふんどしは、漢字で「衣」偏に「軍」で「褌(ふんどし)」と書くように、戦国時代の戦闘服の一つでした。いつでも、力を発揮できるように、男性器の揺れが、身体の動きを妨げないように固定する役目をします。

また、湿気の多い日本風土に合わせ、男性器を固定する目的以外には、体を布で包みません。それで、鼠蹊部を締めず、解放されて、通気性が良いのです。鼠蹊部には、血管、リンパ管、筋肉、神経、経絡が通っていて、血液、リンパ液、気が、流れています。すべての流れが堰き止められず、悠々と循環できるから、本来の能力を如何なく戦いに発揮できるのです。まさに、フンドシは、日本の風土に合った戦う男性用の下着として、叡智の結晶です。

ところで、 女性の股間に、揺れを抑え、固定すべきものが、有りますか?

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第4章.平安女子にならう腰巻き

平安平安時代の以前から、腰巻きが使われた記録が残っています。それから千年を超え、太平洋戦争の戦況が厳しくなるまでは、日本女性の下着は、腰巻きでした。腰巻型の下着は、世界でも珍しく、日本以外では、南国の島民に限られていたようです。

腰巻は、1枚の長方形の布の上部に紐をつけ、巻スカートのように腰に巻き付けて、腰骨の上で紐を結び、下がらないよう固定したものです。股間は、完全に解放された状態です。股間にフンドシのような布が無いので、解放感がバツグンです。

この型が、千年以上続いた現象をどう思われますか?「野蛮人みたい」「パンツという西洋文明のような発想がうまれず、下着の後進国だった」「パンツが発案されようとしても、新しいものへ抑圧が働く時代背景があった」以上のようなネガティブな結果なのでしょうか?

いいえ、日本の気候と風土に最適だから、永く愛用されたのです。

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第5章.ふんどしを超える開放感

赤桜日本は、海に囲まれ、国土の4分の3が樹木に覆われ、保水力や水源に恵まれている反面、湿気も豊な風土です。

男性の場合、排尿する器官は、股間に埋め込まれたものでなく、男性器が伸縮する範囲では、自由に動き、風に晒すことも可能です。一方、女性の排尿する器官と生殖器は大陰唇(だいいんしん)という脂肪組織に富んだ左右一対の襞に守られています。すなわち、股間に埋め込まれ、襞の奥に収納され、可動範囲ゼロです。 そのうえ、二本の太ももに挟まれているので、湿気が生じます。

湿気対策として、股間に布を当てず、開放した腰巻きがベストなのです。夏は汗をかき、温度が高く、細菌が繁殖しやすい時期です。男性の為のふんどしよりも、女性は更に、通気性の優れた下着が必要です。股間に布を当てない腰巻きが、フンドシよりも、更に通気性に富み、細菌繁殖の予防にもなったのです。

空気が日本より乾燥する欧米では、股布があるパンツ型の下着が、保湿効果があっていいのかもしれませんが、日本国土での股布は、百害あって一利なし。大切な排尿と生殖器の口は、肉体の一部である大陰唇が守っているのですから。

更に布で覆うのは、膣カンジダ菌など雑菌を培養するようなものです

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第6章.黒歴史がパンツの始まり

sly2-1 明治の文明開化以降、西洋文化と共に、洋服文化がやってきました。国をあげて、洋服着用を奨励し、西洋文化に追いつこうと努力しました。そして、洋服だけでなく、股のある下着・ズロースの着用も促そうとしました。

しかし、腰巻きを長く愛用してきた日本女性にとって、ズロースは、最悪に不快な代物でした。股間に布が密着、食い込む気持ち悪さ。見向きもされませんでした。

そんな空気を変えたのが、関東大震災や、白木屋のデパートの火事でした。大正12年の関東震災、腰巻きがめくれて下半身が露出した遺体が河川に打ち上げられました。それをうけ、消防庁がズロース着用を勧めましたが、普及しませんでした。

昭和7年のデパートの火災では、窓から下ろしたロープにつかまり降りてきた売り子の女性たちが、下からの風で腰巻きがまくれあがり、下腹部が露出し、野次馬の視線から体を守るために、すそを手で押さえ、ロープから手を離し、地面に落下して亡くなったそうです。この報道で、ズロースが普及したといわれていましたが、まだまだ進取的な女性に限られていました。

普通の平凡な女性にまで、ズロースが普及したのは、太平洋戦争がきっかけです。贅沢は敵だ、のスローガンのもと、モンペ着用が強制され、モンペをはいて、本土決戦に向けて、竹ヤリや防火訓練をしました。敵軍が上陸した際、レイプされないように、パンツを二枚重ねてモンペの下に穿く女性もいました。

日本におけるパンツの普及は、震災、火災、戦災、と災害という恐怖に迫られ、やむなく選択したものでした。そこには、楽しみや喜びは、ありません。

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第7章.恐ろしい習慣

sly3-1 下着を自由に選択できた時代は、解放感ある腰巻きが圧倒的に支持されました。しかし、モンペ着用が強要され、終戦後の混乱で活動的なモンペ着用が続く状況で、ズロースを穿く体は、常に不快を感じていては、ストレスに蝕まれてしまいます。体は不快に慣れ、不快を不快と感じないよう、鈍感であることを選択しました。

乳幼児に分厚い紙オムツをあてると、トイレトレーニングが遅れ、布おむつ使用や、オムツを使わないと、早くトイレで排泄ができるといいます。

また、老人に紙オムツを常用させると認知症が進み、紙オムツを外すと認知症が回復する例があります。

女性が、生理用の紙ナプキンをやめて、オーガニックな布ナプキンに変えたら、生理痛が無くなり、月経周期が安定した例があります。

鼠蹊部を締めない下着に変えたら、腰巻きの時代の女性たちのように、現代の女性も、尿意と同じように月経血をコントロールできるようになった例があります。

下腹部には、大腸、膀胱、子宮が、外界につながる口が並んでいます。ここに密着させる物の厚みと身体能力は、反比例するのではないでしょうか。厚みのあるものは、外界の情報を体内に伝えることを妨げます。薄いほど身体感覚・身体能力が上がり、分厚いほど、感覚が麻痺し、能力が下がります。

口をふさぐ物が、何も無い腰巻きは、最高の能力を発揮できるのでは、ないでしょうか

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第8章.気づかない拷問
sly4-4 顔の、口、鼻、耳、を布で塞いだら、どうでしょう? たとえば、パンツの股間部は、布が二重で厚みがあります。それをそのまま、鼻と口に当ててください。変態みたいなこと、申し訳ありません。見た目はさて置き、どんな感じですか?

最近は、使い捨てマスクでさえ、プリーツや立体裁断が施され、鼻の孔や口に密着しないよう、空間を保持する設計になっているだけに、密着するのは、ひどく息苦しいです。

では、24時間、目鼻口耳に布を密着させて、過ごすのはどうでしょうか? 布に遮断されて、景色、臭い、音、空気の情報が得られません。不安で不快です。布を密着させることは、外気の情報を受信しようとする各器官の自由を奪うことです。目鼻口耳を密閉するのは、自由を奪う拷問をしているようなものです。

同じことを股間に密着する布が、しているのです。多くの日本女性は、生まれてから、腰巻きの開放感を知らず、パンツをはいて育っています。ですから、腹部の臓器が外界につながる各器官に、布を密着・密閉させて、自由を奪う拷問に慣れてしまっています。

外界からの情報を身体が求めているのに、毎日パンツで密閉されて、欲求が叶わない。そのジレンマは、身体にとって、苦痛です。パンツで密閉しているものを目鼻口耳に置き換えて、想像すれば、苦痛を理解できるでしょう。

そこで、身体は、自らを苦痛で蝕まないよう対応しました。外界から情報を得ようとする欲求をOFFにしたのです。OFFにするまでは、身体の外の世界で、いかなる変化が起こっても、迅速にその様子をキャッチして、速やかに柔軟に対処しようというという意欲がありました。

しかし、外からの情報が、布で遮断され、受信できないのであれば、受信を求めることをやめたのです。諦めれば、ストレスを感じません。そして、外界の変化に対応しないことに、平気でいられるようにしました。

要するに、無関心、無気力、不自由を不自由と感じない鈍感でいることで、股間を布で密閉することに順応したのです。その時代は、半世紀を超えました。もはや、身体の腹部は、外界から情報を得て対応するという自由があったことも忘れ、自由をうばわれ拷問をうけている状態に、苦しさも屈辱も、何も感じなくなりました。見事に鈍感を装うことを貫いています。

自由になれば多くの可能性を得られるのに、不自由に気づかず、生きているのです

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第9章.肥大する頭部

学説循環図自然のリズムも、宇宙のリズムも循環しています。循環には、二つの極があり、陰と陽、N極とS極、北極と南極、朝と夜、夏と冬…家の中は、表口を明け、裏口もあけることで、風の通り抜けがよく、空気の循環が起こります。

体の換気も、頭部の目鼻口耳だけの換気よりも、腹部の子宮・大腸・膀胱の外界につながる口の呼吸を解放し、頭と腹の二極の換気によって、より心身全体の気の流れがよくなるのです。

日本女性は、パンツ(ズロース)の普及と共に、換気が頭部だけの民族に変わっていきました。頭だけの換気によって、日本女性は、頭でっかちが増えていきました。頭でっかちとは、知識に偏り、バランスを欠いた行動をすることです。それまでは、自然のリズムと調和し、本能的直観が働きました。

戦後、高度成長期に入り、男性社会による自然破壊、経済優先主義などの現象が起こりましたが、女性たちにも変化がありました。頭でっかちな子育てです。

たとえば、粉ミルクの方が、母乳よりも、頭脳明晰になる成分が配合されているから、赤ちゃんは粉ミルクで子育てた方がよい。という情報に、母乳を授乳できる環境でも、敢えて粉ミルクにした母親たちがいました。また、抱き癖をつけると、赤ちゃんは、いくらでも泣いて母親を翻弄させるから、なるべく触れない子育て。そして、他者と比較して批判する子育て。

それらの子育てから、親子の絆が薄れ、不安定な人が育ち、学校や職場、地域に、修復が望まれる課題が広がっていきました。
心身の気の循環の不具合が、人のつながりの循環、自然と人の共生の循環にも反映します。頭部だけの換気の習慣が、頭でっかちな女性たちに変貌させ、子や人の成長に影響が広がりました。

車輪は、片輪だけでは暴走してしまいます。もう一つの輪が、良きバランスに整えます。

頭部だけの換気より、腹部の換気との両輪で、完成されるのです。


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第10章.平成女子がめざめる

ぴわイメージフンドシ女子について冒頭で、不足をもうしあげましたが、本当は、喜ばしいことと、歓迎しています。鼠蹊部を締めるパンツから、鼠蹊部開放のフンドシに進歩したのです。
頭だけの呼吸でなく、腹も呼吸する腰巻まで、あと一歩。日本女性の能力全開の日が近付いています。

元始女性は太陽であった。その源は、頭と腹で呼吸する身体。心身の気が巡り、自然・宇宙の循環と呼応して、直観が冴え、存在が、周りを照らす太陽であったのです。

今、平成の女子が、目覚める時。
自分を封じる檻に 気づいたら、
抜け出すのは たやすい。
恐怖に 追われること なく、
歓びを 求め、飛び立つ。
広がる野に 花を 咲かせよう。
歓び、楽しみ、自由に舞う。
あなたは 世界を照らす。

最後まで読んで下さり、ありがとうございます。

渡辺カリン

2014.6.10

わたしの学説「男女における褌と腰巻き(ふんどしとこしまき)」
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